シンプルに頭がおかしい気がする

「なんでわざわざ男同士なん」

今から数年前、腐女子バレした時にオタク趣味に理解のない母が放った一言である。

私は今年で腐女子と自覚してから10年になる、年の割には年季の入ったお腐れオンナだ。

10年間、文字通り男の尻ばかりを追いかけて生きてきたし、BLのことばかり考えていた時期も決して少なくない。

しかしそんな私でもこの問いには全く答えが出せなかった。

HLではなく敢えてBLを嗜む理由として「異性愛とは違う対等な関係性が好き」という言があげられることがある。

確かにそれも一理あるだろう。

守られるヒロインと超絶かっこいいヒーロー!……みたいな少女漫画や一昔前の女性向け文庫作品のテンプレに嫌気がさしている人も決して少なくないはずだし、かくいう私もファンタジー系作品で散見される「パーティにいる必要性が全くもって見当たらない無能ヒロイン」に故郷の村を焼かれている身なので、強い受けという概念を愛しているのは事実である。

しかし、しかしである。

関係性萌えならセックスはさせなくてもいいのではないだろうか?

普段いかに対等であっても、褥では突っ込む側と突っ込まれる側の力関係が生じてしまう気がしてならない。

ということはむしろさせるべきではないのでは、とまで言えそうである。

とはいえ、正直なところそれは困る。

私はBL作品の濡れ場が大好きだからだ。

数万字単位で丁寧にふたりの関係性を描写していく作品が読みたい時もあれば、とりあえず濡れ場だけ書きました!みたいな数千字の作品を探し回っている時もある。

そんな私は「関係性萌え」を名乗るには余りに不純すぎた。

だから私は母の問いにこう答えた覚えがある。

「知らん……頭おかしいんとちゃうかな……」

私は知性と語彙力が貧困なので自身の趣味をけなす以外の選択肢を見付けられなかったが、この問いに対する綺麗な答えを見つけた人がいたなら、どうか私に教えてほしい。

母に頭がおかしい女だと思われ続けているのは、いささか心に来る。

6年来の友人と逆カプが原因で疎遠になりそう

類は友を呼ぶとはまさにその通り、私がリアルで頻繁に会うほど親しくしている友達は見事なまでにオタクしかいない。

 

率直に言って普段はオタクとつるんでいた方が気が楽なのだ。

彼女たちとは金銭感覚が似ているから某大手事務所アイドルのファンクラブの年会費が4000円だと伝えたら

「安っ」

「一日あたりで考えるともう無料じゃんそれ」

JPEGより安いから無料」

という無料のストライクゾーンが余りに広すぎる回答が返ってくるし、推しにお金をかけるためにバイト戦士と化している女が多いから予定が決まるのも非常に迅速だ。

一緒にいる時に推しイベを爆走しながら会話を進めても問題にならないし、むしろ全員が一斉に各々のソシャゲの体力を消費し始めることすらある。

さらに画面の向こうにしか存在しない推しの誕生日パーティーにも付き合ってくれるからもう最高としか言いようがない。

とにかく、私にとってオタクの友人とは非常に貴重で重要な存在なのだ。

 

しかし現在、私は6年来の友人との仲違いの危機に瀕している。

原因はただ一つ、逆カプである。

 

私も友人も基本的は大人しい腐女子で地雷も少ない方だし、そもそも普段の私たちはカプ解釈と組み合わせと左右がほぼ完璧に一致している。性癖における番みたいなものだ。

それなのに、よりによって今秋から2期が始まる某アニメの大手カプが完全に逆カプだった。

しかも互いに逆カプ完全地雷。双方攻めくんのどことはいわないどこかにコンクリを詰める勢いだからどうしようもない。

秋になればきっと支部Twitterには2人の恋模様を描いた素敵な作品がたくさんアップされるに違いないし、そもそも私も友人も1期アニメ決定前から漫画を楽しく読んでいた身として2期アニメそのものが楽しみでならないのだ。

 

なのに逆カプ。互いに地雷。

 

ここは地獄かと問われれば地獄ですと答えるしかないのだが、それならせめて原作通り楽しい地獄であってほしかった。

今のところは「アカウントを分ける」「ワードミュートを駆使する」などの疎遠にならずに済む折衷案を採用する方向で丸く収まりそうだが、そういえばこの友人を含め仲良くしている4人組がデ〇ステガチャ大爆死をきっかけに瓦解しそうになったこともあった。

 

オタクとばかり付き合うのも、見直した方がいいのかもしれない。