推しに生まれて初めてまともなレスポンスを貰った女

推しからレスポンスを貰った。

人生で一番しっかりしたレスポンスを貰った。

 

私の推しは基本的に画面の向こうの人間だ。JPEGの推しはもちろん、生きている推しも含め、ありとあらゆる推しが画面の向こうの人間だった。

画面の向こうの人間は基本的に私にレスポンスをくれない。それはそうだ。画面の向こうの人間は私のことを認知していないので(あたりまえ体操)レスポンスが来なくて当然だ。

私が貰ったことのあるレスポンスと言えば、配信をするタイプの推しにささやかな投げ銭をして名前を呼ばれたことが何度かあるのと、某アイドルの推しに一度だけファンサを(恐らく)貰ったのと、それくらい。

でもそれは仕方のないことだ。

本当にファンサを貰いたいなら名義を増やし金を積んででも良席に入る努力をするべきだし、コメントが読まれないのが悔しいなら高額投げ銭を継続できる強いオタクになればいい。私にはそれをできるほどの根性がないから、仕方ない。まぁそれはそうだ。この意見に関しては賛否両論あるかと思うが、あくまで私個人の意見として消化してほしい。

 

しかし私は今日推しからレスポンスを貰った。

しかもめちゃめちゃしっかり貰った。私が送った少額の投げ銭にくっつけたメッセージを全文読み上げて、「少額とかないから」とフォローしてくれて(マジで少額だったので申し訳なくてもう一度同額で投げ銭を送った)、推しの幸せを願いがちな私のメッセージに「文章が重いんだよな」と笑ってくれた。

推しの横を私が送った投げ銭が通過していくさまを何枚かスクショしておこうとスマホを構えていたはずなのに、手が震えてどうしようもなかった。にこにこ笑ってくれていたはずなのに、全然スクショが撮れなかった。

心臓が血液を送り出している音がやたらとうるさく聞こえて、少女漫画でよくある「心臓の音、聞こえちゃいそう……」というシチュエーションはこういうことなのかと謎に納得した。私は血圧が低めでうっかりすると上が96とかになるのだけれど、たぶんあの瞬間の私の血圧は200くらいあった。

 

私は推しに世界で一番幸せになってほしい。今回レスポンスをくれた推しだけではなくて、これまで好きだと思ったありとあらゆる人間に世界で一番幸せになってほしいと思っている。毎日あたたかい布団の中で眠ってほしいし、おいしいごはんを食べてほしいし、一生お金に困らないでいてほしいし、おろしたての服を着る日は綺麗に晴れていてほしいし、さみしい時や苦しい時に、ひとりで苦しまずにすむ人生であってほしい。

だからメッセージにも「世界で一番幸せになってください」と書いた。だって幸せになってほしいから。推しに憂うことのない人生を送ってほしいから。

そのメッセージに、推しは「俺世界で一番幸せになっていいの?」と笑って答えてくれた。

 

良いに決まってるじゃん!?!?!?!?

 

推しぞ?そち、私の推しぞ?

世界で一番幸せになっていいに決まっている。

というかそもそも世界で一番幸せになってはいけない人間なんていない。

いやそれはさすがに嘘だけれど、誰かの幸せを踏みにじった人間には幸せになってほしくないけれど、でも推しには幸せになってほしい。というか私の大好きな人間は、全員、友達も家族も推しもみんなみんなみんな、私の分の幸せを持って行ってもいいから幸せになってほしい。体も心もクソ重い女なので真剣にそう思っている。

 

メッセージを読み上げられた動揺で一瞬配信から離脱してしまいすぐに推しに答えられなかったのだが、もう一度やり直せるなら倍プッシュの投げ銭と共にこう伝えたい。

世界で一番幸せになっていいに決まってる。推しくんの未来が、毎日が、いつだって素敵なものでありますように。お誕生日おめでとうございました、大好きです。