EDが治った話

大学生になる頃から長らく患っていたEDが治った。
これだけだと誤解しか生まないような気はするが、しかし実際のところ治ったのだからこう言うしかない。


EDが、治った。

 

イッタランドに生息している腐女子なら、ここ数週間で一度は某お空ゲームにどエロイ歩く18禁お兄さんが登場したという話を耳にしているのではないだろうか。
最高の声帯と高すぎる顔面偏差値、おまけに堕天司というチートスペックを引っ下げて登場した彼は、あらゆるイメージを裏切る余りにも下品なセリフで一躍時の人となった。
気になるユーザーは「ベリアル セリフ」で検索してみてほしい。イベントストーリーからバトルボイスまでとにかく全てがどうしようもないのがよくわかると思う。

 

それはさておき、私は大学生になる頃からEDに悩まされていた。
平たく言うと、版権二次創作BL作品に食指が動かなくなっていたのである。
もちろんBL自体に興味を失ったわけではない。いわゆる商業BLは読んでいたから、ドハマりして作家さんにファンレターを送った作品も、自宅で変な声を漏らしながら読んだ作品もある。
しかし、高校生の頃は友人と8時間語り続けるほどに熱中できていた版権二次創作に、私はなぜだかさほど惹かれなくなっていた。

 

「気が狂うほど熱中してるジャンルも最近ないし、推しはいるけどpixivでカプ名検索し続けるみたいなこともしなくなったし、私もライトなオタクになったよなあ」

 

正直なところ、そう思っていた。

 

そんな私をある日襲ったのが、先述したえっちなお兄さん出現の報である。
率直に言って、私はえっちなお兄さんが好きだ。さらに厳密にいうと貞操観念の死んでいる男がどうしようもなく好きだ。
どのくらい好きかというと、商業BLの帯に「ビ〇チな隣人」というようなノリの煽りが載っていたら気持ちが一気に買う方に傾くくらい。わかりにくいかもしれないが、とにかくめちゃくちゃ好きなのだ。

 

ほとんど一目惚れだったと思う。
今までほぼ興味ゼロだったお空をインストールするかどうか唐突に悩みだし、深夜の通話で友人に諫められた。
お前それ以上ソシャゲ増やしてどうすんねん(意訳)
いやまあ確かにごもっともである。そもそもえっちなお兄さんはプレイアブルキャラではない。敵だ。
入手できるならともかく敵につられてソシャゲを増やしてどうする。頭も黄色くないし私はそもそももうちょい細身の方が好みだ。よし、やめよう。

 

そう決意したはずなのに、翌日の夜には私のスマホにグ〇ンブ〇ーファ〇タジーがインストールされていた。

 

そこからはもう、あれよあれよという間に沼に落ちていった。
ドスケベお兄さんの絡む作品を片っ端から読み漁った。Twitterで数時間おきにカプ名を検索したのは何年ぶりだっただろうか。
同カプの神文字書きたちがTwitterをしているのを見つけるたびにフォローした。
どんな妄想ツイートが流れてきても興奮した。

 

長らく忘れていたクソ腐女子としての感覚を、私は思い出しつつあった。
心のEDが、ようやく治ったのだ。

 

そこからの立ち直りは早かった。
自カプはTwitter性の行政特区と揶揄されていた通り、えっちな小説のえっち純度が異常なまでに高い。
♡喘ぎありませんという注意書きを私は初めて見た。なんやねんそれ。
幸いにして私はハートが乱舞し濁音が入り混じる作品のことを心の底から愛しているので、自カプの小説を読んでは一人で深夜に拍手をし踊り狂う生活が始まってしまった。半ば狂人だと我ながら思う。
しかし狂人で良いのだ。腐女子でいることがこんなに楽しいと思い出せたのだから、それで構わない。

 

ベリアルお兄さん、本当にありがとう。
アナゲンネーシスにあっさりやられたひとりのキモオタクソ腐女子として、心からの感謝を捧げます。